Steins;Gateオワタ(ネタバレ)

なぜか我が家に突如として現れたXBox360とシュタインズゲート。
自分で買ったのならともかく、押しつけられるとかえってやらねばならないような感覚を持つ。
そう思いつつもなかなか重い腰を上げようとはしなかった。

のだが、ついに動き出した。

まあわざわざこのゲームをおいていったということは、きっとおもしろいのだろう。
ということでやり始めたのだが、おかりんの厨二病っぷりももちろんなのだがシャイニングフィンガーのメールのうざさにも負けそうになった。
しかし、何とか乗り越えてすすめていった。
その辺の問題さえ乗りきればなんということはなく、普通の読書感覚でとっぷりと浸かっていった。
普通にプレイすれば20時間、ゆっくり読み進めても30時間程度あれば攻略できると下調べしたところ書いてあったのだが、自分の場合には実に50時間以上かかった。
ちなみに自分はTrueとセレセブエンド以外は自力でみて、その後サイトでTrueへの行き方を調べるという流れでプレイした。
ぶっちゃけあんなの自力でTrue&セレセブエンド到達無理げー。
まあそれはともかく楽しめた。
ということで、読書感想文的なものを書いてみようかなと。
いや、違うな、考察だな。
リーディングシュタイナーとはなんぞや、というタイトルにでもなるだろうか。
以下、ネタバレ含むので注意。
しかも長文。

このゲームを最後までやっていくと、とどのつまり誰もがリーディングシュタイナーを持っている、というところに落ち着く。
しかし、このリーディングシュタイナーとはどういう能力なのか。

作中、直感的に読み進めていけば、「ダイバージェンスが変動しても記憶を保持できる能力」といった感じだろうか。
通常はダイバージェンスが変化すれば、それに沿って因果が再構築され、その結果記憶も再構築される。
しかし、おかりんに限っては、ダイバージェンスが変動すると、同時にリーディングシュタイナーが発動し、ダイバージェンスが変わったことを知覚する。
そして、それまでのダイバージェンスで保持していた記憶が失われることなく、再構築された世界に引き継がれる。

しかし、一つ疑問な点が浮かぶ。
リーディングシュタイナーが 単純に「ダイバージェンスが変動しても記憶を保持できる能力」であったとして、おかりんにその新たに移ってきたダイバージェンスでの「過去の記憶」がないのはなぜだろうか?
因果が再構築された時、その影響を受けた人の過去は改変される。
たとえばルカ子が男性から女性に変わったとき、ルカ子には女として生まれ、生きてきた記憶が蓄積されている。
しかし、おかりんはそのことを知らない。
ただ単に今までのダイバージェンスの記憶を引き継ぐだけであるなら、新たな世界線での因果に基づいた記憶を持っていて、同時に今までのダイバージェンスの記憶を引き継いでいても良さそうなものだ。
実際のところおかりん以外は、少なくとも新たなダイバージェンスでの因果に基づいた記憶については持っている。
そして、ルカ子にあんなことやらこんなことをしてクリスティーナに本で殴られたりする。
そして、程度の差はあるだろうが、すべての人はリーディングシュタイナーを持っているということになっている。
それが故にダイバージェンスが異なる世界間での記憶が同時に存在するという事象を発生させていると考えられる。
たとえばルカ子の場合は、おかりんと初めて出会ったとき、それはおかりんにとっても初めて出会ったときであり、ルカ子が男であったとき、すなわち別のダイバージェンスでの記憶を思い出した。
フェイリスの場合はもっとわかりやすく、明確に二つの記憶が同時に存在し、それらがない交ぜになって混濁していることを吐露している。
これらのことを整理しよう。

おかりん以外の人間
現在の記憶は現在のダイバージェンスでの因果に基づいて構築されている。
ただし、なんらかのきっかけで今まで通ってきた別のダイバージェンスでの記憶が戻ることもある。
というか、どこかに刻み込まれている。

おかりん
現在の記憶は現在のダイバージェンスに左右されない。
因果の再構築によって記憶が再構築されることはない。
今まで通ってきたダイバージェンスでの記憶をそのまま引き継ぐ。

ちょっとこのままでは比較が難しい。
より対比的な言い換えを考える。

おかりん以外の人間
現在のダイバージェンスでの因果に基づいた記憶を持っている。
今まで通ってきた別のダイバージェンスでの記憶は忘れている。
ただし、忘れているだけであって刻まれている。

おかりん
現在のダイバージェンスでの因果に基づいた記憶は持っていない。
今まで通ってきた別のダイバージェンスでの記憶を引き継ぐ。

何となく見えてきた感じがする。
リーディングシュタイナーが発現する瞬間は、世界線のダイバージェンスが変動した瞬間である。
通常はここで因果が再構築され、記憶も再構築される。
しかし、この記憶の再構築はゼロからなされるものではない。
それはおかりん以外の人間でも、今までたどってきたダイバージェンスでの出来事を思い出すことがあることから明らかである。
今までの記憶は再構築された記憶によって上書きされるようにして押しのけられ、無意識(という言葉が適切かどうかはおいておいて、少なくとも今現在明確に知覚できない領域)下へと潜むこととなる。
あるいは、基本的に上書きであるのかもしれない。
もしそうであるならば、特別に強固な記憶は上書きに抗い、消滅することなく無意識下へと逃れるのだろう。
しかし、おかりんはその記憶の上書きに対して絶対的な抵抗がある。
その結果、ダイバージェンスが変動しても記憶が変化することなく引き継がれ、その代わり上書きされて現在の記憶となるはずだった新たな因果に基づいた記憶を持たないということが発生するのだと考えられる。
つまり、リーディングシュタイナーとは、一つにはダイバージェンスが変化することを知覚する能力であり、そしてより重要な点は、因果の再構築に基づいた新たな記憶の上書きに抗う能力であろうと考えられる。

リーディングシュタイナーのこの二つの側面のうち、一つ目、ダイバージェンスの変化の知覚の側面についてみる。
リーディングシュタイナーの能力のうち、このダイバージェンスの変動を知覚する能力に関しては、作中おかりん以外の人間が持っている様子はない。
もし仮に持っていたとしても、改変された過去に基づいて再構築された記憶に上書きされることで、知覚したこと自体が忘却の彼方へとたつことになるのだろう。
従って、この側面においてはおかりんの視点でのみ考察すればよいこととなる。
そもそも、ダイバージェンスは鈴羽が元々いた世界を0.000000%とした相対表示だ。
ダイバージェンスはおかりんも認識できないほどの微弱な変動をとることがある。
それは一つには、Trueで鈴羽が言っていたことと、その行動結果から推察される。

鈴羽が言うには、タイムトラベル元と先のダイバージェンスは微妙に違うとのことだ。
事実、鈴羽とα世界線を経験してきたおかりんは二回2010/07/28へ飛ぶが、二回目に飛んだときに一回目の鈴羽やおかりんたちとバッティングすることはなかった。
従って、ダイバージェンスメータにも現れないレベルの極々微少なダイバージェンスの変動がそこでは発生していたと考えるのが妥当であろう。
そしてまた、そのとき、おかりんはリーディングシュタイナーによるダイバージェンスの変動の知覚をしていない。
すなわち、ダイバージェンスの変動が微少である場合、おかりんにもその変動は知覚されないということだ。
具体的にどの程度の数値から変動を知覚するかしないかの閾値になっているのかはわからないが、おそらく小数点以下6桁に及ばない程度の変動は知覚できないのではないかと予想される。
そしてその数値は、因果が変わらない範囲での過去の改変、あるいは、改変できなかった過去に対するズレであろう。

そして次に、もう一つの側面であり、リーディングシュタイナーの本質であると考えられる、記憶が異なるダイバージェンスをまたがって共有されることについて考える。
これは、先述の考えに基づけば、おかりんだけが記憶の上書きを免れ、そのほかの人は記憶の上書きがなされることで忘却状態へと陥ることによる。
しかし、実は必ずしもそうではないと考えられる。
作中、ダイバージェンスが変動する主なタイミングはDメール発射時だ。
ここで、ダルがフェイリス杯で勝つために送ったDメールを見ていきたい。
まず、ダルはフェイリス杯ではフェイリスにフルぼっこにあって瞬殺される。
そこで、過去の自分にフェイリスのカードの配置を教えるDメールを送る訳だが、過去は変わらなかった。
いや、正確には、ダルの言うとおり、勝負の過程は変わったはずであったのだが、結果は変わらなかった。
しかし、ここにおかしなところがある。
このときダルがDメールを送ったことは、おかりんはもちろん、ダルやセレセブも覚えているのだ。
それは、結果が変わらなかったから当然であると思うかもしれない。
そこには何の因果の変化も起きていないのだから、と。
しかし、ポイントはそこにはない。
よく考えてみてほしい。
送ったはずのDメールは送信履歴に残っていないことを。
これはどういうことかというと、単純に考えれば、そのダイバージェンスでは「Dメールは送られたことになっていない」のだ。
おかりんのリーディングシュタイナーによるダイバージェンスの変動知覚能力に関しては、その変動が極々微少である場合にはそれを関知できないという特性がある。
だからおかりんはダイバージェンスの変動に気づかなかった。
しかし、Dメールを受け取ったダルはきっとフェイリスとの戦い方に変化があったはずであり、結果は変わらなかったが過去の一部が変わったことは間違いないと考えられる。
またさらに言うならば、厳密には、Dメールを受け取った時点で、「Dメールを受け取ったか受け取っていないかという点」において過去とは異なるので、Dメールを送るという行為自体が、その内容がどんな些細なものであったとして、それが原因や結果はおろか、過程になんらの影響を及ぼさなかったとしても、極々微少のダイバージェンスの変動をもたらすと考えられる。
このことは、鈴羽がタイムトラベルをすること自体がダイバージェンスをほんのわずかに変動させるといったことと同じ意味である。
であるならば、ダルやセレセブがDメールを送ったことを覚えていることはきわめて不自然であるのだ。

もう一度言おう。
Dメールを送ることでダイバージェンスはほんのわずかに変動する。
しかし、ダルやセレセブは変動する前の記憶をそのまま引き継いだ。
上書きは発生しなかった。
いや、あるいは上書きは発生したが、それに抗ったか。
とにかくダルの記憶はDメール発送前と後とで改変を受けなかった。
それは、Dメールを送った直後、ダルがフェイリスに勝ったか負けたかわからなかったことから明らかである。
これはつまり、ダイバージェンスの変動がおかりんに知覚されない程度のものであったとき、すなわち、因果に変動がない範囲であった場合、過去の改変に至らない範囲であった場合は、「おかりん以外の人間でも異なるダイバージェンスをまたがって記憶が受け継がれうる」ということを意味する。

これは、言い換えるなら、 おかりん以外の人間も記憶の上書きへの抵抗を持っているということだろうか。
しかし、それが個人によって程度の差がある場合、困ったことが起きる。
ダイバージェンスの変動値次第によっては、ある人は今までのダイバージェンスの記憶を持ち今のダイバージェンスの記憶を全く持たないが、ある人は今までのダイバージェンスの記憶は遙か彼方へと追いやられ今のダイバージェンスの記憶が明確にある状態へとなってしまう可能性がある。
そのことによって矛盾が生じる場合は世界によってそれこそ再構築されるのであろうが、だとすれば個々人の耐性云々の問題ではない。
それに、おかりんがリーディングシュタイナーを発動させたとき以外には、ほかの人の記憶の改変が行われた形跡は見あたらない。
つまり、おかりんにも認識されないような極々微少なダイバージェンスの変動によっては、記憶の改変自体が行われないと考えるのが自然だということになる。
そしてそれはつまり、記憶が異なるダイバージェンスをまたがって受け渡しされることは、いうなれば根本的な常識であり、受け渡されないことなどないことを意味する。

ダイバージェンスの変動が微少である場合、記憶の上書きは発生せず、そのまま引き継がれる。
おかりんの場合はその変動率に左右されず、そのまま引き継がれる。
そして、それ以外の人はダイバージェンスの変動が一定より大きい場合、おそらくおかりんがリーディングシュタイナーを発動する程度の変動が発生した場合、そしておそらくそれは因果の再構築が発生するのと等しいと考えられるが、そのとき記憶の上書きが発生する。
しかし、この上書きは元の記憶を消してから行うものではなく、元の記憶は引き継がれた上から行われるものである。
結果として元の記憶は一見消滅するが、塗りつぶされた記憶の下に密かに残っていたり、押しのけられ別の領域に息を潜めていたりする。
記憶がダイバージェンス間で引き継がれることは当たり前のことであり、それは例外のないことなのである。
つまり、 この文における最初のリーディングシュタイナーの定義「ダイバージェンスが変動しても記憶を保持できる能力」に基づけば、おかりんの結論である「すべての人はリーディングシュタイナーを持っている」というものは正しいということになる。

なにが混乱させているのかというと、作中で出てくるリーディングシュタイナーという言葉が多義的であることによる。
リーディングシュタイナーという能力は主に3つの意味で作中では用いられていると考えられるのだ。
一つにはダイバージェンスの変動を知覚する能力。
これはおかりんによってのみなされるものだ。
この意味においてリーディングシュタイナーと言ったとき、この能力を持つものはおかりんだけであり、誰もがリーディングシュタイナーを持っているという結論には至らない。
二つには因果が再構築されたときに発生する記憶の上書きへの抵抗をする能力。
おかりん以外の人は因果が再構築されるとともに記憶の改変も行われる。
しかしおかりんはそれに対して抵抗を持ち、記憶が再構築されることから免れる。
この意味におけるリーディングシュタイナー、より言葉を尽くすなら、因果の再構築が発生するほどのダイバージェンスの変動が発生したときにも記憶が「上書きされずに」保持し続けることのできる能力、これもまたおかりんだけの能力であるといえるのである。
より正確に言うならば、記憶の上書きへ抵抗する能力となる。
そして三つ目、それが、ダイバージェンスの変動が起きても記憶を引き継ぐ能力。
最初に定義された能力である。
そしてこれはすべての人が持っているのである。

勘違いを引き起こすのは、ダイバージェンスの変動が起きたときにおかりんだけが記憶を引き継いでいるかのように見えるところである。
記憶はすべての人が引き継いでいるが、おかりんだけが記憶の再構築から免れるのである。

 

とまあこんな感じ?
自分の中でリーディングシュタイナーっていう能力がいまいちしっくりこなかったので考察してみた。
考察してみたらいろいろと整理がついて自分なりに納得のいくところにおさまった。
なんとなく記憶を引き継ぐ力な感じはしてたけど、それ以外の多義的な側面と、側面によっては誰でも持っているけども側面によっては結局おかりんしか持っていないというところでしっくり来てなかったんだな。
実際のところダイバージェンスの変動と因果の再構築とそれに伴う記憶の再構築と記憶の引き継ぎは一連の事象として発生するわけで、異なる側面を持つからといって言葉を分けるより一つの言葉に多義的な側面を持たせる方が自然だ。
それにおかりん当人からしたら「記憶の上書きから免れている」というより「記憶を引き継いでいる」という方へ解釈するだろう。
実際プレイしているときはそういう風に感じていたし、整理しなければ見えてこなかったことだ。
いや、なかなか楽しめた。

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